《one point》資本家の誕生 .....「優れて自由操作の効く領域」の遠隔地交易(fernhandel)にてを染めることができた卸し売り商人=大商人は、そこから得られる莫大な利益を蓄えていった。西欧の語彙において、大商人(negociant)は 'merchant' 'kaufherr' として零細なこ売り商人(tradesman/kramer)と明確に峻別されていた。商業(交換の世界)にあっては厳格な階層化がなされていたのである。資本家となるかれら達は、①つねに地域のわくを越え異郷の地の商人と接触し、②賃労者に対して情報/知識/文化において勝っていて、③価値あるもの(不動産/地代)をなんであれかき集め、④あらかた競争を無効にするに足る充分なちから(特に資金)を持っていた。


