青木康征『コロンブス』(中央公論社、1989年)
1492年8月3日アンダルシアの港町パロスを出港したコロンブス一行はカナリア諸島に寄港したのち、9月6日ゴメラ島から一路西へと未知の大海原に船を進めた。そして37日目の10月12日、最初の島グアナハニー島(サン・サルバードルと命名する)に到着した。このあと、グラン・カンの治めるカタイの国や黄金の島ジパングを探してカリブの島々を巡るさなか、クリスマスの夜、サンタ・マリア号はエスパニョーラ島で坐礁した。ためにコロンブスはやむなく同船を放棄し、島に乗組員39名を残留させ、翌1493年1月4日、ニーニャ号を率いて同島から帰途についた。途中、二度にわたり大しけに遭い、アソーレス諸島のサンタ・マリア島およびリスボン港に緊急避難したのち、ピンソンが指揮する僚船ピンタ号と相前後してパロスに無事帰着した。これがふつう新大陸の発見とよばれるコロンブスの歴史的航海の概略である。(p.4)
《plus a something》 青木康征『南米ポトシ金山』