I. ウォーラーステイン『近代世界システム I』(岩波書店、1981年)
どの社会もいくつかの「発展段階」を通過するのだとすれば、あるいは、どの社会にもその「自然史」があるのだとすれば、世界システムそのものには「発展段階」はないのか。少なくともそれには、「自然史」はありえないのか。あると仮定すれば、発展(する世界システム)のなかの(個々の社会の)発展を研究するという、奇妙なことにならないのか。…
事実、もっと単純な方法が必要だと私には思えた。ここにきて私は、主権国家だとか、もっと漠然とした概念である民族社会だとかを分析単位にしようとする着想を完全に捨てた。どちらの単位も社会システムとはいえないし、しかも社会変動は社会システムのなかでしか分析しえない、と悟ったからである。私のシェーマでは、唯一の社会システムは世界システムだということになった。
…その結果、主権国家に起こった諸変化も、世界システムの展開とその相互作用から説明できるようになった。(p.9)
《plus a something》 川北稔ほか『(知の教科書)ウォーラーステイン』
